Story

16世紀、アフリカから多くの黒人たちがジャマイカに奴隷として連行されて来た。時を経て彼らは自由を得たが、差別や社会的不遇は今も続いている。

1930年代にジャマイカで生まれた“Rastafari(ラスタファライ )”は、多様性を受け入れ、普遍的な愛を持って行動することを信念とする思想運動。これに共鳴したレゲエミュージシャン達により、ラスタファライは世界中に広がっていく。

その愛を持って多様性を受け入れ実際に行動に移す姿勢は、宗教や政治で人々が分断され混迷を極める現代社会において、明るい未来を切り拓くためのヒントになるだろう。

本作は、音楽の持つ可能性に魅せられた日本人監督・ 杉野啓基が、2004年から13年に渡り、ラスタファライのレゲエミュージシャン達に密着したドキュメンタリー映画。

物語の舞台はジャマイカ、エチオピア、ロサンゼルス、日本、そしてベリーズ。 

数十年の時を経て、彼らのメッセージは現代社会に、どのような影響を与えているのか。 世界中に存在するラスタファライの現状を、ラスタファライであるレゲエミュージシャンの視点から伝える。 

作中にはBunny Wailer、Lucianoをはじめとするミュージシャンが多数登場するほか、Bob Marleyの師Joe・Higgsの元マネージャーがレゲエ誕生の秘話を語るなど、レゲエの歴史を語る上で貴重な映像が満載。 

また、本作は70~80年代にかけて多くのヒット曲を残したジャマイカを代表するシンガー、 John Holtの遺作となった。